To overcome the crisis R&D

地球温暖化についてHuman impact on the global environment

地球温暖化が真実だとしたら、人類の危機と考えます。一方、ミランコビッチサイクルを根拠に地球は氷河期に向っていると主張されている方もいらっしゃいます。しかし、それは10万年単位の話であって、地球温暖化の問題は産業革命以降のわずか100年で二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素等が急激に上昇したことです。たった今二酸化炭素の排出をゼロにしても、プレートテクトニクスによる炭素循環での自然な二酸化炭素濃度への復元に数千年かかると言われています。IPCCの最悪のシナリオが現実にならぬよう願いますが、一時的な安易な根拠で地球温暖化を否定し、後に対策をしていなかった事を悔いることだけは避けたい選択です。

分かりやすい目安として寒ければ凍り、暑ければ溶ける極地の氷の面積があります。下記のグラフは極地の氷の面積です。北極は氷が溶けていると思われますが、幸いなことに一見南極の氷の変化は少ないように見えます。不思議な現象です。北半球だけ、大気循環やアルベド、火山活動に変化が起きたのか、氷に下の大陸の有無が関係するか?と様々な可能性を考えましたが、その答えの一つとして、2018年6月Team IMBIE(NASAや欧州宇宙機関を含む40以上の地球科学機関からの80人の科学者)が、南極大陸でこの25年間で3兆トンの氷が溶けたという論文*1*2を発表しました。

出典 ADS https://ads.nipr.ac.jp/vishop.ver1/ja/vishop-extent.html(南極の氷の面積が減っていないことだけで地球温暖化を否定することは、冷静な判断とは言えません。心理学ではこれを確証バイアスというそうです。例えば「温室効果ガスだけが原因でなく、日射量総量の変化等の別な原因もあるのではないか」など、私達も確証バイアスに陥らないよう、今後も新しい事実が発見される可能性を心に留めています。)

これが事実ならやはり温暖化は進んでいるということになります。今は氷の冷却によって温暖化は表面的に平均気温1℃未満の上昇と緩やかに見えますが、極地の氷が解け終えた時、放射冷却以外地球を冷やす手段が無くなり、温暖化は激しくなってしまいます。極地の氷は熱ければ溶け、寒ければ凍り、地球の熱環境を生物にとって住みやすい環境に調整してくれる大事な機能*3の一つですが、その大事な極地の氷が全て解けてしまうまで、あと何年残っているのでしょうか。極地の氷が溶け続ける限り、地球がそもそも1AUに位置する熱環境になってしまうのでしょうか。それとも水分の蒸発量増加によるアルベド変化を期待していいのでしょうか。そう考えるとIPCCの楽観的シナリオは遠のいているように感じます。

こうしたシナリオに対し、エネルギーや食料確保のための軍事拠点化の準備ともとれる行動を始める国、ビルゲイツ氏はノルウェーの地下800mに倉庫を作り、88万種類以上の植物の種を貯蔵しているそうです。これは野球に例えると9回裏2アウト2ストライクの時の対応です。今は8回裏の攻撃が始った辺りでしょうか。こんな大変な時期でさえ、残念ながら民間では疑わしいセールスの横行や、頼みの政治も、張本人のアメリカはパリ協定から離脱するなど道のりの遠さに落胆させられてしまいます。しかし、この現実を直視しながらも、残された時間で良識ある人達で地球温暖化対策に努力を続けなければなりません。そこで、もっと効率的で、且つ、実現可能な方法はないものかと思う次第です。

個人的意見として、まずは皆が信頼できる情報の認知と理解が必要でしょう。そして、SDGsは賛成ですが、温暖化防止(大規模森林伐採は大問題)、自国における食料自給自足化、世界人口抑制等が最優先だと考えます。そのうちの温暖化防止対策に貢献できる熱の分野を弊社で研究しており、下記で紹介するような成果が出始めたとは言え、弊社だけではとても解決できる規模の問題だとは思えません。ですが、こんな時こそ「あったらいいな できたらいいな は夢じゃない」精神で努力し続けたいと思っています。

  • 出典 UNFPA https://www.unic.or.jp/info/un_agencies_japan/unfpa
  • 出典 環境省全国温暖化防止活動推進センター
  • 出典 JAXA http://www.sapc.jaxa.jp/case/domestic/amazon/  1年で四国に匹敵する面積の森林が伐採されている
  • 出典 The Washington post(https://www.nature.com/articles/s41586-018-0179-y)

私の故郷の新潟では、幼少期にあれほど積もった雪でしたが、最近では雪が積もることが珍しくなっています。体感的にもデータ的にも(平成/昭和:26%減)、今のところ温暖化は進行している可能性が非常に高いと思われます。何かの間違いであればと願いますが、弊社R&Dは、後に対策をしていなかった事を悔いることを避けるべく活動しています。

*1 https://www.nature.com/articles/s41586-018-0179-y *2 https://www.washingtonpost.com/news/energy-environment/wp/2018/06/13/antarctic-ice-loss-has-tripled-in-a-decade-if-that-continues-we-are-in-serious-trouble/?noredirect=on&utm_term=.f67d1bb644f8 *3 http://polaris.nipr.ac.jp/~academy/science/kaihyo/kaihyo04.html

慶応義塾大学武藤研究室と熱をテーマに共同研究を通し、常識にとらわれない画期的な新技術を開発しています。

  • 真空を使わない条件付き完全断熱

    この仕組みを利用して建築窓用フィルムを開発しました。ある気象条件下で完全断熱が起こります。窓は一番熱の出入りの激しいところですから、暖房時の省エネが期待されます。その初期性能版としてOPtune®を販売開始しました。特許出願中。

  • 日射量、風速等の気象条件を熱貫流率に反映させた省エネ試算プログラム

    熱貫流率は気象条件で激しく変化します。現状の規格の評価式では変化する熱貫流に非対応であり、現実に近い省エネ試算が出来るとは考えられません。開発したプログラムでは過去の気象データや太陽高度・方位データを利用し、より現実的な熱貫流率で省エネ試算を行うことで、可能な限り正確な情報を提供することを目的としています。

  • 熱を伝え難い素材

    開発した熱を伝え難い素材は、例えば従来の自動車板金と比較して遮熱性能は2倍から10倍、断熱性能はロックウールの熱伝導率の1/7という成果を得ました。空調負荷を減らせることが可能で、特に電気自動車においては航続距離を延ばすことに貢献できます。(補足:但し、充電する電気の供給元が化石燃料では意味がありません)

  • その他

  • 慶應義塾大学環境情報学部教授
    工学博士武藤 佳恭
  • Science誌論文「A near-optimum parallel planarization algorithm」他300編以上の科学論文を執筆。著書に「誰でも分かるディジタル回路」ohmsha、「ニュートラルコンピューティング」コロナ社「面白チャレンジ!インターネットガシェット入門」「発明の極意:いかにしてアイデアを形にするか」近代科学社、「IoTデバイス設計・実装」ohmsha等がある。
  • 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授
    冨田 賢
  • 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了、博士号Ph.D取得。新規事業立ち上げ、IoT・AI、アライアンスが専門。東証一部上場企業から中小企業まで180社以上のコンサルティングを実施。著書に「IoT時代のアライアンス戦略-人工知能の進化とマッチング数理モデルの提案」や「新規事業の立ち上げの教科書-ビジネスリーダーが身に着けるべき最強スキル」等がある。